「ページを1本にまとめたい。でも、せっかく順位がついたページを消したら、検索から消えてしまうのでは」——サイトを整理しようとすると、必ずこの不安にぶつかります。2026年7月22日、当社は自社サイトのEC/D2C向けページ /ec/ を閉じ、トップページへ寄せました。怖かったので、閉じる前に順位を記録してから作業しています。この記事では、その半日で実際に何が起きたかを、数字と手順のまま公開します。
結論:統合先の表示は確認できた。ただし順位上昇とはまだ断定できない
2026年7月22日、当社は自社サイトのEC/D2C向けページ /ec/ を閉じ、トップページ / へ寄せました。同日の手動検索では「D2C SEO」が3位から2位へ上がったように見え、表示URLも統合先へ変わっていました。一方、Search Console APIの2026年7月6日〜21日集計では「D2C SEO」は2表示・平均10.5位です。統合先が検索に出たことは確認できましたが、順位上昇を示すには母数も期間も不足しています。
「ページを統合するとSEOが失われる」「せっかく順位がついたページを消すな」——サイトを整理しようとすると必ず言われる話です。当社は統合前後の手動観測を残しましたが、単発順位は場所・端末・検索履歴で変わります。今後の判断はSearch Consoleのページ別・クエリ別推移で行います。
先に断っておくと、これはサンプル1件・半日の観測です。一般法則ではありません。何が言えて何が言えないかは、記事の後半で分けて書きます。
| 「D2C SEO」の自然検索順位 | 7月22日 午前(統合前) | 同日 夕方(統合後) |
|---|---|---|
| 1位 | 株式会社ODiMA | 株式会社ODiMA |
| 2位 | 株式会社Lifunext | 当社(トップページ) |
| 3位 | 当社(/ec/) | 株式会社Lifunext |
| 4位 | rpst.jp(2021年1月の記事) | rpst.jp |
| 5位 | マイナビD2C | マイナビD2C |
| 6位 | shopi-lab(2023年8月の記事) | —(この日は未確認) |
同じ日の夕方には「D2C AI検索」でも自然検索2位を手動観測しました。ただしこれは単発の画面記録です。統合したページが寄せ先URLで表示された事実と、安定した順位を獲得した評価は分けて扱います。
何をしたのか——/ec/ を閉じて / へ寄せただけ
当社は7月21日まで、業種別に入口を分けていました。EC・D2C向けの /ec/ と、店舗向けの /store/ です。7月22日にそのうち /ec/ を閉じ、トップページへ307リダイレクトで寄せました。コールドメールに載せていた着地URLも、同じタイミングで / に差し替えています。
作業自体は、リダイレクトを1本張るだけです。手間なのはむしろ、閉じる前と後で同じ条件の観測を取っておくことのほうでした。順位は日をまたぐと他の要因が混ざるので、当社は同じ日の午前と夕方で比べています。
- 1
閉じる前に、対象の語で実際に検索して順位を控える
後から「下がった気がする」と言っても検証できません。統合を検討している語を紙に書き出し、作業前にGoogleで検索して1ページ目を記録します。当社は「D2C SEO」でこれをやりました。
- 2
旧URLから新URLへリダイレクトを張る
旧ページを削除して404にするのではなく、寄せ先へ転送します。恒久的な統合なら301が原則です。当社は運用上の都合で307(一時的)を使いましたが、それでも順位は引き継がれました。
- 3
寄せ先のタイトルに、旧ページが取っていた語を残す
リダイレクトを張っても、寄せ先のページにその語が書かれていなければ意味がありません。当社の場合、トップページのタイトルに「EC・D2C向け 検索集客(SEO/LLMO)運用」を残しました。
- 4
外部で使っている着地URLも同時に差し替える
メールの文面・SNSのプロフィール・名刺・広告の遷移先など、サイトの外にある旧URLを洗い出して直します。リダイレクトが効いていても、二重管理は必ず後で事故になります。
- 5
閉じた後、同じ方法でもう一度数える
作業して終わりにせず、同日中に同じ語をもう一度検索します。ここまでやって初めて「引き継がれたのか、失われたのか」が事実として言えます。

なぜ分けるのをやめたのか——ページが増えるほど「事実の同期コスト」が上がる
順位のリスクを取ってまで統合した理由は、SEOではなく運用のほうにありました。業種ごとにページを分けると、料金も説明も、そのページ数だけ管理することになります。
実際、当社は2026年7月21日に料金を全業種一律へ一本化しました(月額50,000円+初期50,000〜200,000円、プランは1つだけ)。「いろんなところにいろんなプランがあると分かりにくい」という理由です。ところが一本化した後、公開済みの記事・営業メールの文面・着地URLに古い記述が残っていて、修正漏れが出ました。ページを増やすほど、同じ事実を揃えるコストが上がるという当たり前のことを、自分で踏んだわけです。
検索のためにページを分けたままにするか、運用のために1本にするか。当社は後者を選び、その代償として順位を失うかもしれないと覚悟しました。結果として、代償は発生しませんでした。

実測の取り方——手動検索とSearch Consoleを役割分担する
検索結果の見た目やAI Overviewの参照元は、実際の画面をスクリーンショットに残します。一方、順位や露出の評価には、Search Consoleの表示回数・クリック・平均掲載順位を期間で集計した数字を使います。
理由は、いまの検索結果がAIによる概要・関連する質問・動画枠・広告で埋まっていて、ページ内のテキストを機械的に読むと並びがズレるからです。当社は過去に別の案件でこの読み方を誤り、「2位」と報告した後で自然検索は5位前後だったと訂正したことがあります。
手動観測はSERPの構成を確認する証拠、Search Consoleは継続推移を評価する証拠です。統合のように後戻りしにくい変更では、両方を日付つきで残し、単発順位だけで成功・失敗を決めないようにします。

言えること/言えないこと(サンプル1件の限界)
今回の観測には、はっきりした限界があります。まず、半日の観測です。数日後・数週間後に同じ順位が維持されるかは、この時点では分かりません。
次に、条件が特殊です。「D2C SEO」はキーワード調査ツールの実測で月10回、しかも過去30日に出現したばかりの新語で、1ページ目に並ぶのも中堅のSEO会社ばかりでした。検索数が数千ある語や、大手が固めている語で同じことが起きる保証はありません。
ですからこの記事で言えるのは「統合すると必ず順位を失う、とは限らない」までです。「統合すれば順位が上がる」ではありません。ここを混ぜて読まれると危ないので、はっきり書いておきます。
301と307、どちらで寄せればいいですか?
恒久的に統合するなら301が原則です。当社の /ec/ は運用上の都合で307(一時的)でしたが、それでも半日の観測では順位が引き継がれました。ただし307は「いずれ元に戻る」という意味のリダイレクトなので、統合を続けるつもりなら301に変えるべきです。半日307でも動いたという事実は、307を勧める根拠にはなりません。
うちも複数ページを1本にまとめたいのですが、何から確認すればいいですか?
まず「その2ページは同じ検索意図に答えているか」を確認してください。答えが違うなら統合ではなく整理です。同じなら、この記事の手順どおり、①閉じる前に順位を記録②リダイレクトを張る③寄せ先のタイトルに語を残す④外部の着地URLも差し替える、の順で進め、作業後に同じ方法でもう一度数えます。判断に迷う場合は、当社の無料診断でも実際に検索して現状をお出しします。
順位は上がったのに、AI概要には引用されていなかった
同日の手動検索では「D2C SEO」で当社が2位に見えた一方、その画面のAI Overviewには当社が引用されていませんでした。単発の順位とAIでの参照は連動しない例として記録します。
Google公式はAI機能向けの特別な追加要件はないと説明していますが、要件を満たしても表示は保証されません。したがって、Search Consoleの検索表示と、手動で確認するAI参照、GA4の問い合わせを別の指標として追います。
当社のブログは2026年7月6日に開始し、この時点で2週間・5記事という段階です。順位もAI引用も、これから積み上げるところにいます。だからこそ、うまくいった話も、まだ届いていない話も、日付をつけてそのまま公開しています。
まとめ
2026年7月22日、当社は /ec/ を閉じて / に寄せました。同日の手動検索では「D2C SEO」が3位から2位へ見え、表示されたのは統合先のトップページでした。一方、Search Consoleの期間集計は2表示・平均10.5位です。今回言えるのは、統合先URLが検索に出たことまでで、安定した順位上昇は今後の継続データで判断します。
統合を検討しているなら、確認することは4つです。①閉じる前に対象の語で検索して順位を記録する ②旧URLから新URLへリダイレクトを張る(恒久統合なら301)③寄せ先のタイトルに、旧ページが取っていた語を残す ④外部で使っている着地URLも同時に差し替える。そのうえで、閉じた後にもう一度、同じ方法で数える。
そして、サンプル1件・半日の結果を一般法則として受け取らないこと。当社もこの観測が数週間後にどうなったかは、また日付をつけて公開します。
参考資料・一次ソース
- Search Console検索パフォーマンスの見方— Google Search Console ヘルプ
- AI機能とウェブサイト— Google 検索セントラル
- Googleが推奨するリンクのベストプラクティス— Google 検索セントラル
AUTHOR
この記事を書いた人

杉山 誇京
株式会社FiTin 代表・テマナシSEO/LLMO運営
デジタルマーケティング大手・オプト出身。大手メーカーから飲食店舗まで、幅広い業種のマーケティング支援に携わってきた。現在はマーケティングと開発の両方を武器に、EC・店舗・住宅など業種を問わずWeb集客サイトを自ら制作・運用している。
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